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そば切りが祭事に食べられる「ハレ」のごちそうであれば、農村の庶民が日常食するそば焼餅は「褻(ケ)」の食のひとつ。信州のそば焼餅はたいてい旬の野菜を具にしますが、遠山郷と呼ばれる飯田市南信濃と上村の地区はちょっとかわっていて、具が「サンマ」です。ここは古くから、火伏せの神として名高い遠州(現静岡県)の秋葉神社へ詣でる人が通る秋葉街道があり、遠州との交流が盛んでした。そのため海産物に縁があったのか、昔からそば焼餅にはサンマが使われてきました。
塩サンマを頭から尾まで骨も内臓もそのまま3〜5cm程のぶつ切りにし、そば粉に熱湯を注いでこねた「餅」でくるみます。これを囲炉裏の渡しで乾かした後、灰の中に埋めて30分程蒸し焼きにします。サンマの内臓の水分が餅の外までにじんだ独特の味わいですが、生臭みはなく骨まで食せます。
今は焙烙(ほうろく)などで焼くことが多くなりましたが、昔ながらの炭焼きの焼餅は、囲炉裏を残す僅かなヵ所で食べられます。ちなみに地元ではサンマのそば焼餅は「そばだんご」と呼ばれています。 |
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サンマの入った「そばだんご」
□撮影協力:民宿「みやした」
長野県飯田市下栗 TEL
0260-36-2232
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